ソース内テスト

Vitest は、Rust のモジュールテストと同様に、実装コードと同じファイル内でテストを実行する方法を提供します。

これにより、テストは実装と同じスコープを共有し、エクスポートされていないプライベートな変数もテストできます。また、開発におけるフィードバックループをより緊密にすることができます。

セットアップ

ソースファイルの一番下に if (import.meta.vitest) ブロックを配置し、その中にテストを記述します。以下に例を示します。

// src/index.ts

// 実装
export function add(...args: number[]) {
  return args.reduce((a, b) => a + b, 0);
}

// インソーステストスイート
if (import.meta.vitest) {
  const { it, expect } = import.meta.vitest;
  it('add', () => {
    expect(add()).toBe(0);
    expect(add(1)).toBe(1);
    expect(add(1, 2, 3)).toBe(6);
  });
}

Vitest の includeSource 設定を更新して、src/ ディレクトリ以下のファイルをテスト対象に含めます。

// vite.config.ts
/// <reference types="vitest" />
import { defineConfig } from 'vite';

export default defineConfig({
  test: {
    includeSource: ['src/**/*.{js,ts}'], 
  },
});

これでテストを実行できます。

プロダクションビルド

プロダクションビルドでは、設定ファイルで define オプションを設定し、バンドラーに不要なコードの削除（デッドコードエリミネーション）を実行させる必要があります。たとえば、Vite では次のようになります。

// vite.config.ts
/// <reference types="vitest" />
import { defineConfig } from 'vite';

export default defineConfig({
  test: {
    includeSource: ['src/**/*.{js,ts}'],
  },
  define: {
    'import.meta.vitest': 'undefined', 
  }, 
});

その他のバンドラー

unbuild

// build.config.ts
import { defineBuildConfig } from 'unbuild';

export default defineBuildConfig({
  replace: {
    'import.meta.vitest': 'undefined', 
  }, 
  // other options
});

詳細については: unbuild

rollup

// rollup.config.js
import replace from '@rollup/plugin-replace'; 

export default {
  plugins: [
    replace({
      'import.meta.vitest': 'undefined', 
    }), 
  ],
  // other options
};

詳細については: Rollup

TypeScript

import.meta.vitest の TypeScript サポートを有効にするには、tsconfig.json に vitest/importMeta を追加します。

// tsconfig.json
{
  "compilerOptions": {
    "types": [
      "vitest/importMeta"
    ]
  }
}

完全な例は、test/import-meta を参照してください。

注意点

この機能は、以下のような場合に特に役立ちます。

• 小規模な関数やユーティリティのユニットテスト
• プロトタイピング
• インラインアサーション

コンポーネントテストや E2E テストなど、より複雑なテストを行う場合は、個別のテストファイルを使用することを推奨します。